ITパスポート過去問道場Pro

🚀 技術戦略とビジネスインダストリ(IoT・AI活用)

技術戦略とビジネスインダストリ(IoT・AI活用)の要点

【技術開発戦略】MOT(技術経営)は、技術に立脚する事業を行う企業が技術開発の成果を経済的価値(事業の利益)に結び付け、イノベーションの創出による持続的発展を目指す経営の考え方で、研究開発の方向づけには技術ロードマップを用いる。クリステンセン(1997年)の「イノベーションのジレンマ」は、優良企業が既存顧客向けの持続的イノベーションを優先するあまり破壊的イノベーションへの対応が遅れ、新興企業に市場の主導権を奪われる現象。チェスブロウ(2003年)のオープンイノベーションは、他社・大学・研究機関など外部の技術・知識・アイディアを意図的に取り込んで革新的な価値を創出する手法で、デザイン思考やハッカソンと併せて出題される。ガートナーのハイプ・サイクルは新技術への期待度を黎明期→『過度な期待』のピーク期→幻滅期→啓発期→生産性の安定期の5段階で表す。技術経営の3つの障壁は順序が頻出。

【ビジネスシステムとエンジニアリングシステム】POSシステム(販売時点情報管理)は「いつ・どの商品が・いくらで・いくつ」売れたかをバーコード読取りなどで単品単位に収集・分析し、売れ筋・死に筋の把握や在庫管理・品ぞろえ計画に活用される。JANコードは標準13桁・短縮8桁で、日本のGS1事業者コードは「45」または「49」で始まる。RFIDは電波でICタグを非接触で読み書きし、複数タグの一括読取りが可能なため、物流やトレーサビリティのIoT化に使われる。電子マネーや行政システムも出題範囲で、資金決済法等の改正(2020年5月1日施行)により法令上の呼称は「仮想通貨」から「暗号資産」へ変更された。エンジニアリングシステムはCAD/CAM・FA・MRPに加え、後工程の要求に合わせて必要な物を必要なときに必要な量だけ生産するJIT(かんばん方式で実現)を押さえる。

【e-ビジネスとIoT】ロングテール(アンダーソン、2004年)は、ネット販売では陳列・在庫の制約が小さいため、ニッチ商品を幅広く品ぞろえすれば売上合計を全体の大きな割合にできるという考え方。フリーミアムやシェアリングエコノミーも代表用語。IoT活用事例はスマートファクトリー・コネクテッドカー・ドローン、機器面ではロボットやウェアラブル機器などの組込みシステムが問われる。Society 5.0は、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会で、第5期科学技術基本計画で初めて提唱された。

【AIの利活用】機械学習の学習方法は教師あり学習・教師なし学習・強化学習の3つに大別される。ディープラーニングはニューラルネットワークを多層化した機械学習の一手法で、特徴量を人手で設計せずデータから自動抽出できる点が従来手法との大きな違いであり、画像認識・音声認識の業務活用を大きく進展させた。「人間中心のAI社会原則」(2019年3月29日決定)は、人間の尊厳・多様性と包摂・持続可能性の3つの基本理念と7つのAI社会原則を定める。総務省・経済産業省が2024年4月19日に公表した「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」は従来の3つのガイドラインを統合し、AI開発者・AI提供者・AI利用者の3主体別に取り組むべき指針を示す。生成AIの活用と併せて確認しておく。

本番形式の問題を無料で演習

例題 (35)

1. 技術に立脚する事業を行う企業が、技術開発の成果を経済的価値(事業の利益)に結び付け、イノベーションの創出によって持続的な発展を目指す経営の考え方はどれか。

  1. CRM(顧客関係管理)
  2. MOT(技術経営)
  3. SCM(サプライチェーンマネジメント)
  4. MBO(目標による管理)

MOT(Management of Technology:技術経営)は、技術開発の成果を事業の利益に結び付け、イノベーションの創出による持続的発展を目指す経営の考え方である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4「技術戦略マネジメント」;経済産業省 技術経営(MOT)関連施策資料)

2. 技術経営では、研究開発の成果を産業化につなげるまでに越えるべき三つの障壁があるとされる。このうち、製品開発の成果を事業化につなげる際に直面する障壁を表す用語はどれか。

  1. 魔の川
  2. ダーウィンの海
  3. 死の谷
  4. キャズム

死の谷は開発から事業化へ進む際の関門であり、魔の川は研究から製品開発へ、ダーウィンの海は事業化から産業化への関門を指す。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例;出川通『技術経営の考え方』(光文社新書、2004年))

3. 技術経営において、基礎研究の成果が製品開発、事業化を経て産業として成立するまでに直面する三つの障壁を、研究段階に近い方から順に並べたものはどれか。

  1. 魔の川 → 死の谷 → ダーウィンの海
  2. 死の谷 → 魔の川 → ダーウィンの海
  3. 魔の川 → ダーウィンの海 → 死の谷
  4. ダーウィンの海 → 死の谷 → 魔の川

研究から製品開発への関門が「魔の川」、開発から事業化への関門が「死の谷」、事業化した製品が市場競争を勝ち抜き産業として成立するまでの関門が「ダーウィンの海」である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例;出川通『技術経営の考え方』(光文社新書、2004年))

4. 業界をリードしてきた優良企業が、既存の主要顧客の要求に応える持続的イノベーションを優先するあまり、破壊的イノベーションへの対応が遅れ、新興企業に市場の主導権を奪われてしまう現象を表す用語はどれか。

  1. イノベーションのジレンマ
  2. オープンイノベーション
  3. 死の谷
  4. キャズム

イノベーションのジレンマは、優良企業ほど既存顧客向けの改良(持続的イノベーション)に注力するため、破壊的イノベーションに乗り遅れるという現象である。 (Clayton M. Christensen『イノベーションのジレンマ』(原著1997年);IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例)

5. 1997年の著書で「イノベーションのジレンマ」を提唱し、優良企業が破壊的イノベーションに乗り遅れるメカニズムを示した人物は誰か。

  1. ヘンリー・チェスブロウ
  2. ヨーゼフ・シュンペーター
  3. フィリップ・コトラー
  4. クレイトン・クリステンセン

クレイトン・クリステンセンは1997年の著書『The Innovator's Dilemma(イノベーションのジレンマ)』でこの概念を提唱した。チェスブロウはオープンイノベーションの提唱者である。 (Clayton M. Christensen『The Innovator's Dilemma』(Harvard Business School Press、1997年))

6. 業界最大手のA社の主力製品市場に、性能は劣るが安価で使いやすい新技術を用いた製品が出現し、徐々に性能を向上させている。A社がイノベーションのジレンマに陥ることを回避する行動として、最も適切なものはどれか。

  1. 既存の主要顧客の要望に基づき、主力製品の性能向上だけに研究開発資源を集中する
  2. 新技術を担当する独立した組織を設け、小規模な新市場に適した体制で事業化を試みる
  3. 新技術の市場規模が主力製品の市場と同等になるまで、参入の判断を先送りする
  4. 主力製品の販売価格を新技術製品と同じ水準まで一律に引き下げる

クリステンセンは、破壊的技術には既存事業と切り離した独立の小組織で取り組み、小さな新市場に適した体制で事業化することを回避策として挙げている。既存顧客の声だけに従うことや参入の先送りは、ジレンマに陥る典型的な行動である。 (Clayton M. Christensen『イノベーションのジレンマ』(翔泳社、原著1997年))

7. 自社内の研究開発だけに頼らず、大学・他社・研究機関など組織外部の技術や知識、アイディアを意図的に取り込んだり、自社の技術を外部に活用させたりして、革新的な価値の創出を目指す手法はどれか。

  1. オープンイノベーション
  2. クローズドイノベーション
  3. 持続的イノベーション
  4. プロセスイノベーション

オープンイノベーションは、ヘンリー・チェスブロウが2003年に提唱した、組織内外の技術・知識を組み合わせて価値を創出する手法である。自前主義による開発はクローズドイノベーションと呼ばれる。 (Henry Chesbrough『Open Innovation』(2003年);経済産業省・NEDO『オープンイノベーション白書』)

8. 製造業A社における取組のうち、オープンイノベーションの事例として最も適切なものはどれか。

  1. 機密保持を徹底し、自社の中央研究所の人員を増強して全ての技術を自前で開発する
  2. 製造工程の作業手順を見直して、生産コストを削減する
  3. 大学やベンチャー企業と共同研究を行い、外部の技術と自社技術を組み合わせて新製品を開発する
  4. 競合他社の製品を購入して分解し、その構造を分析して自社製品の改良に生かす

オープンイノベーションには、大学・他社など外部の技術や知識を意図的に取り込んで価値を創出する取組が該当する。自前主義の開発はクローズドイノベーション、製品の分解分析はリバースエンジニアリングである。 (Henry Chesbrough『Open Innovation』(2003年);IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例)

9. 技術開発戦略の立案に当たり、横軸に時間を取り、市場の動向、製品、要素技術などの将来の展望や開発の道筋を時系列で示し、関係者間で共有するために作成される図はどれか。

  1. 技術ポートフォリオ
  2. 技術ロードマップ
  3. アローダイアグラム
  4. デシジョンツリー

技術ロードマップは、市場・製品・技術の将来動向を時間軸上に示した図で、研究開発の道筋や製品化時期の共有と意思決定に用いる。技術ポートフォリオは技術の成熟度や競争力などの軸で自社技術を位置付ける手法である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4「技術戦略マネジメント」用語例(技術ロードマップ))

10. ガートナー社が提唱するハイプ・サイクルは、新技術に対する期待度の時間変化を五つのフェーズで表すモデルである。「『過度な期待』のピーク期」の直後に位置付けられるフェーズはどれか。

  1. 黎明期
  2. 生産性の安定期
  3. 幻滅期
  4. 啓発期

ハイプ・サイクルは「黎明期→『過度な期待』のピーク期→幻滅期→啓発期→生産性の安定期」の順で推移し、ピーク期の直後には期待が急速にしぼむ幻滅期が来る。 (ガートナージャパン「ガートナーのハイプ・サイクル」公式解説;IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例)

11. 新技術製品の普及過程において、初期採用者(アーリーアダプタ)までには受け入れられた製品が、前期追随者(アーリーマジョリティ)が中心となる主流市場へ普及する前に直面する、両者の間に存在する深い溝を表す用語はどれか。

  1. 死の谷
  2. 魔の川
  3. ダーウィンの海
  4. キャズム

キャズムはジェフリー・ムーアが提唱した概念で、アーリーアダプタとアーリーマジョリティの間にある普及の断絶を指す。死の谷・魔の川・ダーウィンの海は、技術経営における研究から産業化までの障壁である。 (Geoffrey A. Moore『Crossing the Chasm』(1991年);IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例(キャズム))

12. 半導体メーカーのA社は、製品の仕様や機能は変えずに、新しい製造技術を導入して生産工程の歩留まりを大幅に向上させ、製造コストを削減した。この取組に該当するイノベーションはどれか。

  1. プロセスイノベーション
  2. プロダクトイノベーション
  3. 破壊的イノベーション
  4. オープンイノベーション

製造方法や工程に関する革新はプロセスイノベーション、革新的な新製品そのものを生み出すことはプロダクトイノベーションに該当する。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例(プロダクトイノベーション、プロセスイノベーション))

13. インターネット通販において、販売機会の少ないニッチな商品を幅広く品ぞろえし、それらの売上を積み上げることで全体の売上の大きな割合を占めるようにする考え方を表す用語はどれか。

  1. フリーミアム
  2. シェアリングエコノミー
  3. O2O
  4. ロングテール

ロングテールは、販売数量の少ない多数のニッチ商品の売上合計が全体の大きな割合を占め得るという考え方で、陳列・在庫の制約が小さいインターネット販売で成立しやすい。 (Chris Anderson「The Long Tail」(Wired、2004年);IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類5(e-ビジネス)用語例)

14. 実店舗での販売と比べて、インターネット通販でロングテール戦略が成立しやすい理由として、最も適切なものはどれか。

  1. 売れ筋の上位商品だけに品ぞろえを絞り込むことが容易だから
  2. 店舗の陳列スペースや在庫などの物理的制約が小さく、販売機会の少ない多品種の商品を低コストで扱えるから
  3. ニッチな商品は売れ筋商品よりも常に高い価格で販売できるから
  4. 対面での接客によってニッチな商品を顧客に直接推奨できるから

インターネット販売では陳列や在庫の物理的制約が小さいため、販売機会の少ないニッチ商品を数多くそろえることができ、その売上合計を全体の大きな割合にできる。 (Chris Anderson「The Long Tail」(Wired、2004年10月号))

15. 基本的なサービスや製品を無料で提供して多くの利用者を獲得し、より高度な機能や付加的なサービスを利用する一部の利用者からの課金によって収益を得るビジネスモデルはどれか。

  1. フリーミアム
  2. サブスクリプション
  3. ロングテール
  4. アフィリエイト

フリーミアムは「フリー(無料)」と「プレミアム(割増)」を組み合わせた造語で、基本サービスを無料で提供し、高度な機能への課金で収益を得るモデルである。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類5(e-ビジネス)用語例(フリーミアム))

16. フリーミアムを採用したサービスの事例として、最も適切なものはどれか。

  1. 動画配信サービスで、最初の1か月間は全機能を無料で利用でき、2か月目以降は全ての利用者が有料となる
  2. ニュースサイトで、全ての記事を無料で公開し、広告主から得る広告収入だけで運営する
  3. クラウドストレージサービスで、一定容量までは無料で利用でき、追加容量や高度な共有機能は有料で提供する
  4. 会計ソフトで、全ての機能を月額定額料金で提供する

フリーミアムは、基本機能を無料のまま提供し続け、上位機能や追加容量を有料化するモデルである。期間限定の無料提供は無料トライアル、広告収入のみによる運営は広告モデル、定額課金はサブスクリプションに該当する。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類5(e-ビジネス)用語例(フリーミアム))

17. 個人などが保有する自動車、住居、スキルなどの遊休資産を、インターネット上のプラットフォームを介して他の個人などと共有・貸借する経済の仕組みを表す用語はどれか。

  1. クラウドファンディング
  2. シェアリングエコノミー
  3. サブスクリプション
  4. フリーミアム

シェアリングエコノミーは、遊休資産をプラットフォーム経由で共有・貸借・提供し合う仕組みで、民泊やカーシェアリングが代表例である。 (総務省『情報通信白書』(シェアリングエコノミー);IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類5(e-ビジネス)用語例)

18. シェアリングエコノミーの事例として、最も適切なものはどれか。

  1. 新製品の開発資金を、インターネットを通じて不特定多数の個人から少額ずつ調達する
  2. ソフトウェアの基本機能を無料で提供し、高度な機能を有料で提供する
  3. 音楽を月額定額料金で聴き放題にするサービスを提供する
  4. 個人が所有する自動車を、使用していない時間帯にアプリを介して他の個人へ有料で貸し出す

シェアリングエコノミーの本質は遊休資産の共有・貸借であり、個人間のカーシェアリングが典型例である。資金の小口調達はクラウドファンディング、無料+課金はフリーミアム、定額制はサブスクリプションである。 (総務省『情報通信白書』;IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類5 用語例(シェアリングエコノミー))

19. 電子商取引を取引主体によって分類したとき、フリマアプリやネットオークションを介して個人と個人との間で商品を売買する取引形態を表すものはどれか。

  1. BtoB
  2. BtoC
  3. CtoC
  4. GtoC

CtoC(Consumer to Consumer)は消費者(個人)同士の取引を指す。BtoBは企業間、BtoCは企業と消費者間、GtoCは政府と市民の間の取引・サービスである。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類5(電子商取引:BtoB、BtoC、CtoC、GtoC))

20. ネットオークションやフリマアプリでの個人間取引において、信頼できる第三者が買い手から代金をいったん預かり、商品が買い手に届いたことを確認してから売り手に代金を支払うことで、取引の安全性を高める仕組みはどれか。

  1. エスクローサービス
  2. EDI
  3. 逆オークション
  4. アフィリエイト

エスクローサービスは、第三者が代金を一時的に預かり、商品の受渡し確認後に売り手へ支払う仕組みで、代金の持ち逃げや商品未着のリスクを軽減する。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類5(e-ビジネス)用語例(エスクローサービス))

21. 電子商取引において、買い手が購入したい商品やサービスの条件を提示し、複数の売り手がより低い価格や有利な条件を提示し合って競い、買い手が最も有利な条件を示した売り手を選ぶ取引の仕組みはどれか。

  1. ネットオークション
  2. オンラインモール
  3. eマーケットプレース
  4. 逆オークション

逆オークションは、通常のオークションとは逆に売り手同士が価格を競り下げる方式で、買い手が主導権をもつ。企業や官公庁の調達などにも利用される。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類5(e-ビジネス)用語例(電子オークション、逆オークション))

22. 実店舗を運営する小売業のA社は、スマートフォンアプリで店舗周辺にいる利用者に電子クーポンを配信し、オンライン上の顧客を実店舗への来店と購買に誘導している。この施策を表す用語として、最も適切なものはどれか。

  1. OMO
  2. O2O
  3. オムニチャネル
  4. ロングテール

O2O(Online to Offline)は、オンラインから実店舗(オフライン)へ顧客を誘導する施策で、クーポン配信が典型例である。OMOはオンラインとオフラインの区別なく顧客体験を融合させる考え方、オムニチャネルは全ての販売チャネルを統合して一貫した購買体験を提供する戦略を指す。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類5(e-ビジネス)用語例(O2O))

23. 2020年5月に施行された資金決済法等の改正に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. 法令上の呼称が「暗号資産」から「仮想通貨」に変更された
  2. 暗号資産は、日本銀行が発行する法定通貨として位置付けられた
  3. 法令上の呼称が「仮想通貨」から「暗号資産」に変更され、暗号資産交換業を行うには内閣総理大臣(金融庁)の登録が必要である
  4. 暗号資産交換業は、登録や届出を必要とせず自由に営むことができるようになった

令和元年の資金決済法等の改正(2020年5月1日施行)により、法令上の呼称は「仮想通貨」から「暗号資産」に変更された。暗号資産交換業は内閣総理大臣(金融庁)の登録制であり、暗号資産は法定通貨ではない。 (資金決済に関する法律(令和元年法律第28号による改正);金融庁「暗号資産の利用者のみなさまへ」)

24. インターネット通販の拡大を背景に、2004年に米国の雑誌『Wired』で、ニッチ商品の売上の積み上げが全体の大きな割合を占め得るという「ロングテール」の概念を提唱した人物は誰か。

  1. クリス・アンダーソン
  2. クレイトン・クリステンセン
  3. ヘンリー・チェスブロウ
  4. マイケル・ポーター

ロングテールは、米『Wired』誌編集長(当時)のクリス・アンダーソンが2004年に提唱した概念である。クリステンセンはイノベーションのジレンマ、チェスブロウはオープンイノベーションの提唱者である。 (Chris Anderson「The Long Tail」(Wired、2004年10月号/書籍版2006年))

25. 技術経営(MOT)では、研究開発の成果が産業として成立するまでに三つの障壁があるとされる。このうち、基礎研究の成果を製品開発の段階につなげる際に立ちはだかる障壁を表す用語として、適切なものはどれか。

  1. 魔の川
  2. 死の谷
  3. ダーウィンの海
  4. イノベーションのジレンマ

研究から製品開発へ進む際の関門を「魔の川」と呼ぶ。開発から事業化への関門は「死の谷」、事業化から産業化への関門は「ダーウィンの海」である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4「技術戦略マネジメント」用語例;出川通『技術経営の考え方』(光文社新書、2004年))

26. ある研究開発型ベンチャー企業は、新技術を用いた試作品の開発には成功したが、量産化や市場投入に必要な資金と人材を確保できず、事業化に踏み出せない状況にある。この企業が直面している技術経営上の障壁として、最も適切なものはどれか。

  1. 魔の川
  2. 死の谷
  3. ダーウィンの海
  4. ハイプ・サイクル

開発段階から事業化段階へ移行する際に、資金や人材などの資源を確保できずに生じる障壁を「死の谷」と呼ぶ。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例(死の谷);出川通『技術経営の考え方』(光文社新書、2004年))

27. 技術経営における三つの障壁のうち、事業化した製品やサービスが、市場における他社との競争や顧客による選別という試練を乗り越え、産業として成立するまでの関門を表す用語はどれか。

  1. 魔の川
  2. 死の谷
  3. ダーウィンの海
  4. キャズム

事業化から産業化へ至る際に市場での生存競争を勝ち抜かなければならない障壁を、進化論の自然淘汰になぞらえて「ダーウィンの海」と呼ぶ。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例(ダーウィンの海);出川通『技術経営の考え方』(光文社新書、2004年))

28. 技術開発の成果を産業化に結び付けるまでに存在する三つの障壁を、研究の段階から産業化の段階へ進む順に並べたものとして、適切なものはどれか。

  1. 死の谷 → 魔の川 → ダーウィンの海
  2. 魔の川 → 死の谷 → ダーウィンの海
  3. 魔の川 → ダーウィンの海 → 死の谷
  4. ダーウィンの海 → 死の谷 → 魔の川

研究と開発の間が「魔の川」、開発と事業化の間が「死の谷」、事業化と産業化の間が「ダーウィンの海」の順である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4「技術戦略マネジメント」;出川通『技術経営の考え方』(光文社新書、2004年))

29. 技術に立脚する事業を行う企業が、「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」といった障壁を乗り越えて技術開発の成果を経済的価値(事業の利益)に結び付け、イノベーションの創出による持続的発展を目指す経営の考え方はどれか。

  1. MBO(目標による管理)
  2. TOB(株式公開買付け)
  3. CSR(企業の社会的責任)
  4. MOT(技術経営)

MOT(Management of Technology:技術経営)は、技術開発の成果を事業の利益に結び付けることによって持続的発展を目指す経営の考え方である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4「技術戦略マネジメント」;経済産業省 技術経営(MOT)関連施策資料)

30. ある素材メーカーの研究所は、基礎研究で有望な新素材を発見したが、その特性を生かす製品コンセプトや用途を具体化できず、製品開発のプロジェクトに移行できない状態が続いている。この状況が該当する技術経営上の障壁はどれか。

  1. 死の谷
  2. ダーウィンの海
  3. 魔の川
  4. オープンイノベーション

研究(シーズ)の成果を製品開発に結び付けられない障壁は、研究から開発への関門である「魔の川」に該当する。なおオープンイノベーションは障壁ではなく、外部の知識・技術を取り込む手法である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例(魔の川);出川通『技術経営の考え方』(光文社新書、2004年))

31. 技術経営における「死の谷」を乗り越えるための取組として、最も適切なものはどれか。

  1. 基礎研究のテーマ数を増やし、学会での論文発表を活発に行う
  2. 発売後の広告宣伝を強化して、競合製品との差別化を図る
  3. 産業として確立した後の海外展開に備えて、現地の販売代理店と契約する
  4. ベンチャーキャピタルなどから事業化に必要な資金を調達し、量産化や市場投入を担う人材・体制を確保する

死の谷は開発から事業化へ移行する際の資金・人材などの資源不足による障壁であり、事業化資金の調達と体制の整備が有効な対策となる。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4「技術戦略マネジメント」;出川通『技術経営の考え方』(光文社新書、2004年))

32. 技術経営における三つの障壁(魔の川・死の谷・ダーウィンの海)に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. 「ダーウィンの海」とは、基礎研究の成果を製品開発に結び付ける際の障壁である
  2. 「死の谷」とは、開発段階から事業化段階へ移行する際に、必要な資金や人材を確保できないことなどによって生じる障壁である
  3. 「魔の川」とは、事業化した製品が市場での競争を勝ち抜いて産業として成立するまでの障壁である
  4. 三つの障壁は、いずれも製品を市場に投入した後の販売競争に関する障壁である

死の谷は開発から事業化への関門である。魔の川は研究から開発へ、ダーウィンの海は事業化から産業化への関門であり、三つすべてが市場投入後の障壁というわけではない。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例(魔の川、死の谷、ダーウィンの海);出川通『技術経営の考え方』(光文社新書、2004年))

33. 次のa〜cは、技術に立脚する事業を展開する企業が直面した状況である。a〜cと技術経営における障壁との組合せとして、適切なものはどれか。 a 有望な要素技術を確立したが、応用する製品分野を決められず、製品開発のプロジェクトを立ち上げられない。 b 新製品を発売したが、競合他社との激しい競争にさらされ、市場での地位を確立できない。 c 製品開発は完了したが、量産設備への投資資金を確保できず、事業を開始できない。

  1. a:死の谷、b:ダーウィンの海、c:魔の川
  2. a:魔の川、b:死の谷、c:ダーウィンの海
  3. a:魔の川、b:ダーウィンの海、c:死の谷
  4. a:ダーウィンの海、b:魔の川、c:死の谷

研究成果を開発につなげられない状況(a)は魔の川、事業化後の市場競争(b)はダーウィンの海、事業化資金を確保できない状況(c)は死の谷に該当する。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例;出川通『技術経営の考え方』(光文社新書、2004年))

34. 次の事例のうち、技術経営でいう三つの障壁(魔の川・死の谷・ダーウィンの海)のいずれにも該当しないものはどれか。

  1. 新素材の研究成果の応用先が見つからず、製品開発の段階に進めない
  2. 試作品は完成したが、量産化のための資金と人材を確保できず、事業化に踏み切れない
  3. 新サービスを事業化したものの、競合他社との競争が激しく、産業としての確立に至らない
  4. 業界最大手の企業が既存顧客向け製品の改良を優先した結果、新興企業が持ち込んだ破壊的な新技術への対応が遅れ、市場の主導権を奪われた

4番目の事例は、優良企業が持続的イノベーションを優先して破壊的イノベーションに乗り遅れる「イノベーションのジレンマ」であり、研究から産業化への移行過程の三つの障壁には該当しない。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類4 用語例;Clayton M. Christensen『イノベーションのジレンマ』(1997年))

35. 工場内の生産設備や機器にセンサーを取り付けてネットワークに接続し、稼働状況や品質に関するデータを収集・分析することによって、生産性の向上や品質の改善を図る工場を表す用語として、最も適切なものはどれか。

  1. スマートメーター
  2. HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)
  3. スマートファクトリー
  4. コネクテッドカー

IoTで工場内の設備・機器をつなぎ、収集したデータを生産改善に生かす工場をスマートファクトリーと呼ぶ。スマートメーターとHEMSは電力・家庭向けのIoT活用例である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス」中分類5「ビジネスインダストリ」用語例(スマートファクトリー);経済産業省「スマートファクトリーロードマップ」(2017年))

無料ではじめる