ITパスポート過去問道場Pro

📋 プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントの要点整理

プロジェクトとは「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」であり、明確な開始と終了をもつ有期性と成果の独自性が特徴で、反復継続する定常業務(ルーチンワーク)と区別される。プロジェクトの意思決定・活動・成果に影響を与えるか、影響を受け得る個人・グループ・組織をステークホルダと呼び、顧客、スポンサー、経営層、プロジェクトマネージャ、プロジェクトメンバーなどが含まれる。立ち上げのプロセスでは、プロジェクトを正式に認可し、プロジェクトマネージャを特定して組織の資源を使用する権限を与えるプロジェクト憲章を作成する。

知識体系としては米国PMI(Project Management Institute)が発行するPMBOKが事実上の国際標準であり、第6版は5つのプロセス群(立上げ・計画・実行・監視コントロール・終結)、10の知識エリア、49のプロセスに整理している。日本ではISO 21500を基に作成されたJIS Q 21500:2018が、プロセスを「立ち上げ・計画・実行・管理・終結」の5プロセス群と、統合・ステークホルダ・スコープ・資源・時間・コスト・リスク・品質・調達・コミュニケーションの10の対象群に分類している。スコープマネジメントでは、成果物と作業を階層的に細分化(要素分解)したWBSを作成し、作業の漏れ・抜けの防止、見積り精度の向上、責任分担の明確化を図る。階層の最下位に置く管理単位はワークパッケージと呼ばれる。

実行段階では監視コントロール(JIS Q 21500の「管理」)のプロセスで品質・コスト・進捗を測定し、EVMなどで定量的に評価しながら、変更は変更管理の手続きで統制する。終結では成果物を引き渡してプロジェクト全体を評価し、得られた教訓を次のプロジェクトに生かす。試験ではクリティカルパスの所要日数、人月の計算、経路数の公式、リスク対応の分類を問う問題が定番である。

本番形式の問題を無料で演習

例題 (35)

1. プロジェクトの特徴として、JIS Q 21500 が挙げる二つの性質の組合せはどれか。

  1. 反復性と定常性
  2. 無期限性と大量生産性
  3. 有期性(開始日と終了日をもつ)と独自性(独自の成果物を生み出す)
  4. 匿名性と可用性

プロジェクトは開始日と終了日をもつ有期性と、独自の成果物・サービスを生み出す独自性という二つの特徴をもつ。 (JIS Q 21500:2018/ITパスポート試験 シラバス(IPA))

2. JIS Q 21500 におけるプロジェクトの説明として最も適切なものはどれか。

  1. 開始日と終了日をもち、独自の成果物を生み出すために遂行する活動の集合
  2. 終わりのない継続的な定常業務
  3. 同一の製品を反復的に大量生産する工程
  4. 個人が私的に行う趣味の活動

プロジェクトは開始日と終了日をもち独自の成果物を生み出す、有期性・独自性のある活動の集合と定義される。 (JIS Q 21500:2018 3.2(用語及び定義))

3. JIS Q 21500 におけるプロジェクトマネジメントの定義に最も近いものはどれか。

  1. 製品を大量生産するための生産ラインを構築すること
  2. 企業の恒常的な組織運営を最適化すること
  3. 従業員個々の人事評価を行うこと
  4. 方法、ツール、技法及びコンピテンシを、あるプロジェクトに適用すること

JIS Q 21500 はプロジェクトマネジメントを『方法、ツール、技法及びコンピテンシをプロジェクトに適用すること』と定義している。 (JIS Q 21500:2018 3.3)

4. JIS Q 21500 が定めるプロジェクトマネジメントのプロセス群の数はどれか。

  1. 3(計画・実行・終結)
  2. 5(立上げ・計画・実行・管理・終結)
  3. 7(提案・立上げ・計画・設計・実行・管理・終結)
  4. 10(対象群と同じ数)

プロセス群は立上げ・計画・実行・管理・終結の5つである。 (JIS Q 21500:2018 4.2.2 プロセス群)

5. JIS Q 21500 の5つのプロセス群に含まれないものはどれか。

  1. 販売(マーケティング)
  2. 立上げ
  3. 計画
  4. 終結

プロセス群は立上げ・計画・実行・管理・終結であり、販売(マーケティング)は含まれない。 (JIS Q 21500:2018 4.2.2 プロセス群)

6. JIS Q 21500 が分類する対象群(サブジェクトグループ)の数はどれか。

  1. 3
  2. 5
  3. 10
  4. 15

対象群は統合・ステークホルダ・スコープ・資源・時間・コスト・リスク・品質・調達・コミュニケーションの10種である。 (JIS Q 21500:2018 4.2.3 対象群)

7. JIS Q 21500 の10の対象群に該当しないものはどれか。

  1. スコープ
  2. リスク
  3. 品質
  4. 販売促進

対象群は統合・ステークホルダ・スコープ・資源・時間・コスト・リスク・品質・調達・コミュニケーションの10種で、販売促進は含まれない。 (JIS Q 21500:2018 4.2.3 対象群)

8. JIS Q 21500:2018 が対応する国際規格はどれか。

  1. ISO 21500:2012
  2. ISO 9001:2015
  3. ISO/IEC 27001:2013
  4. ISO 14001:2015

JIS Q 21500:2018 は国際規格 ISO 21500:2012 に対応する日本産業規格である。 (JIS Q 21500:2018(対応国際規格の表示))

9. ITパスポート試験のシラバスにおいて『プロジェクトマネジメント』が位置づけられている分類はどれか。

  1. ストラテジ系の中分類1
  2. マネジメント系の中分類10
  3. テクノロジ系の中分類23
  4. マネジメント系の中分類15

ITパスポート試験シラバスでは、プロジェクトマネジメントはマネジメント系の中分類10に位置づけられている。 (ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5(IPA, ipa.go.jp))

10. プロジェクトや生産管理でいう『QCD』が表す3要素の組合せはどれか。

  1. 数量・容量・需要
  2. 品質・顧客・設計
  3. 品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)
  4. 計画・実行・評価

QCDは Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)の3要素を指す。 (生産管理/プロジェクトマネジメント(QCD))

11. QCD(品質・コスト・納期)の関係についての説明として最も適切なものはどれか。

  1. 三つは相互にトレードオフの関係にあり、一つを優先すると他に影響が及ぶ
  2. 品質を上げれば必ずコストも納期も同時に改善する
  3. 三つは互いに独立しており影響し合わない
  4. コストだけがプロジェクトの成否を決める唯一の指標である

QCDは一方を優先すると他方に影響が及ぶトレードオフの関係にあり、バランスをとることが重要である。 (生産管理/プロジェクトマネジメント(QCD))

12. プロジェクトにおける『ステークホルダ』の説明として適切なものはどれか。

  1. プロジェクトで使用するハードウェア機器
  2. プロジェクトの予算総額
  3. プロジェクトが生み出す最終成果物そのもの
  4. 発注者・利用者・プロジェクトメンバなど、プロジェクトの利害関係者

ステークホルダはプロジェクトの利害関係者を指し、JIS Q 21500 の対象群の一つである。 (JIS Q 21500:2018 対象群「ステークホルダ」)

13. WBS(Work Breakdown Structure)の説明として最も適切なものはどれか。

  1. 各作業の開始と終了を横棒で示す進捗管理図
  2. プロジェクトの作業を成果物を主体に階層的に要素分解したもの
  3. ネットワーク図上の最長経路を求める手法
  4. 利害関係者の連絡先をまとめた一覧表

WBSは目標達成に必要な作業を成果物主体で階層的に要素分解したものである。 (ITパスポート試験ドットコム 用語「WBS」/ITパスポートシラバス)

14. WBS の日本語での呼称として適切なものはどれか。

  1. 作業分解構成図
  2. 作業予定進捗図
  3. 責任分担表
  4. 要員配置図

WBSは Work Breakdown Structure の略で、日本語では作業分解構成図という。 (ITパスポート試験ドットコム 用語「WBS」)

15. WBSで分解された作業の最小単位を何と呼ぶか。

  1. マイルストーン
  2. クリティカルパス
  3. ワークパッケージ
  4. ベースライン

WBSの最下位に位置する作業の最小単位をワークパッケージといい、コスト・資源・スケジュール見積りの基礎となる。 (PMBOK/ITパスポート試験ドットコム 用語「WBS」)

16. ワークパッケージを単位として行う見積りとして適切なものはどれか。

  1. 企業全体の年間売上高の予測
  2. 株価の将来の変動予測
  3. 従業員の離職率の算定
  4. コスト・資源・スケジュールの見積り

ワークパッケージはコスト・資源・スケジュールを見積もる際の基礎単位となる。 (PMBOK/ITパスポート試験ドットコム 用語「WBS」)

17. プロジェクトのスコープマネジメントの説明として適切なものはどれか。

  1. プロジェクトの費用(コスト)だけを管理すること
  2. プロジェクトで実施する作業範囲・成果物範囲を定義し管理すること
  3. プロジェクトメンバの勤怠を管理すること
  4. 完成した製品の販売価格を決めること

スコープマネジメントは作業範囲・成果物範囲(スコープ)を定義・管理する対象群である。 (JIS Q 21500:2018 対象群「スコープ」)

18. プロジェクトでWBSを作成する主な目的として最も適切なものはどれか。

  1. 必要な作業を漏れなく洗い出し、階層的に整理して管理できるようにするため
  2. ネットワーク図から最短経路を自動計算するため
  3. 利害関係者間の対立を調停するため
  4. 製品の販売チャネルを決定するため

WBSは作業を漏れなく重複なく洗い出し、階層的に整理して見積りや管理の基礎とするために作成する。 (ITパスポート試験ドットコム 用語「WBS」/ITパスポートシラバス)

19. 作業を成果物中心に階層分解し、『何を作るか(作業範囲)』を洗い出すのに用いる技法はどれか。

  1. ガントチャート
  2. アローダイアグラム
  3. WBS(作業分解構成図)
  4. 管理図

WBSは作業範囲を階層的に洗い出す技法であり、ガントチャートやアローダイアグラムは主に日程(スケジュール)管理に用いる。 (ITパスポート試験ドットコム 用語「WBS」)

20. WBS(作業分解構成図)は、主にどのマネジメント領域(対象群)で作成されるか。

  1. コミュニケーションマネジメント
  2. 調達マネジメント
  3. コストマネジメントのみ
  4. スコープマネジメント

WBSは作業範囲・成果物範囲を扱うスコープマネジメントの中で作成される。 (JIS Q 21500:2018 対象群「スコープ」)

21. WBSにおいて、上位から下位へ分解を進めると、一つ一つの作業の粒度はどうなるか。

  1. より粗く(抽象的に)なる
  2. 変化しない
  3. ランダムに前後する
  4. より細かく(詳細に)なる

WBSは上位から下位へ向かうほど作業が詳細化され、最下位のワークパッケージが最小単位となる。 (ITパスポート試験ドットコム 用語「WBS」)

22. プロジェクトのリスク対応策として一般に挙げられる4種類の組合せはどれか。

  1. 計画・実行・評価・改善
  2. 回避・低減・移転・受容
  3. 立上げ・計画・実行・終結
  4. 品質・コスト・納期・範囲

リスク対応策には回避・低減(軽減)・移転(転嫁)・受容の4種類がある。 (ITパスポート試験 シラバス/リスクマネジメント(リスク対応策))

23. リスクの原因となる作業そのものを計画から取り除き、リスクが発生しないようにする対応策はどれか。

  1. リスク移転
  2. リスク受容
  3. リスク回避
  4. リスク低減

リスクの原因となる活動自体を取りやめてリスクを断つのがリスク回避である。 (ITパスポート試験 シラバス/リスクマネジメント(リスク対応策))

24. リスクが顕在化したときの損失に備えて保険に加入し、損失の負担を第三者に移す対応策はどれか。

  1. リスク移転
  2. リスク回避
  3. リスク受容
  4. リスク低減

保険加入や外部委託などにより損失の負担を第三者へ移すのはリスク移転(転嫁)である。 (ITパスポート試験 シラバス/リスクマネジメント(リスク対応策))

25. リスクの発生確率や影響度を下げるために事前に対策を講じ、損失を小さく抑える対応策はどれか。

  1. リスク受容
  2. リスク移転
  3. リスク回避
  4. リスク低減

発生確率や影響を小さくする事前対策をとるのがリスク低減(軽減)である。 (ITパスポート試験 シラバス/リスクマネジメント(リスク対応策))

26. 影響が小さく対策コストのほうが大きいと判断し、あえて特別な対策をとらずリスクをそのまま受け入れる対応策はどれか。

  1. リスク回避
  2. リスク受容
  3. リスク移転
  4. リスク低減

特別な対策をとらずにリスクをそのまま受け入れるのがリスク受容である。 (ITパスポート試験 シラバス/リスクマネジメント(リスク対応策))

27. プロジェクトリスクマネジメントの一般的な流れとして適切なものはどれか。

  1. 成果物の販売 → 回収 → 廃棄
  2. 採用 → 教育 → 昇進
  3. リスクの特定 → 分析(評価)→ 対応策の立案 → 監視
  4. 設計 → 製造 → 出荷

リスクマネジメントはリスクの特定、分析(評価)、対応、監視という流れで進める。 (ITパスポート試験 シラバス/リスクマネジメント)

28. 次のうち、リスク『低減(軽減)』の具体例として最も適切なものはどれか。

  1. 定期的なバックアップと機器の二重化を行い、障害時の被害を小さくする
  2. リスクの高い新機能の開発を計画から外す
  3. 損害保険に加入して損失を保険会社に負担してもらう
  4. 影響が軽微なので特別な対策をとらずに進める

発生確率や影響を下げる事前対策(バックアップ・二重化など)がリスク低減で、他は順に回避・移転・受容の例である。 (ITパスポート試験 シラバス/リスクマネジメント(リスク対応策))

29. プロジェクトリスクマネジメントにおける『リスクの特定』の説明として適切なものはどれか。

  1. 洗い出したリスクの発生確率と影響度を評価すること
  2. リスクへの具体的な対応策を実行に移すこと
  3. リスクが顕在化した損失額を保険で回収すること
  4. プロジェクトに影響を与え得るリスク要因を洗い出すこと

リスクの特定は、プロジェクトに影響を及ぼし得るリスク要因を洗い出す工程である。 (ITパスポート試験 シラバス/リスクマネジメント)

30. 特定したリスクについて発生確率と影響度を見積もり、対応の優先順位を付ける工程はどれか。

  1. リスク特定
  2. リスク分析(評価)
  3. リスク対応
  4. リスク監視

リスク分析(評価)では、特定済みのリスクの発生確率と影響度を評価し、優先順位を付ける。 (ITパスポート試験 シラバス/リスクマネジメント)

31. プロジェクトマネージャ(PM)の役割として最も適切なものはどれか。

  1. 経理部門として全社の決算を承認する
  2. 個々のプログラムのコーディングだけを専任で担当する
  3. プロジェクト目標の達成に向け、計画・実行・管理の全体に責任をもって指揮する
  4. 会社全体の人事異動を最終決定する

PMはプロジェクト目標の達成に向け、計画・実行・管理の全体に責任をもって指揮・調整する役割を担う。 (ITパスポート試験 シラバス/プロジェクトマネジメント)

32. プロジェクト憲章(プロジェクト・チャーター)の説明として適切なものはどれか。

  1. プロジェクトの発足を正式に認可し、目的やプロジェクトマネージャの権限などを明文化した文書
  2. 完成した成果物の操作手順を記したマニュアル
  3. メンバの日々の作業時間を記録する勤務表
  4. 顧客への請求金額を記載した請求書

プロジェクト憲章はプロジェクトを公式に立ち上げ、目的やPMへの権限付与を明記する文書である。 (ITパスポート試験 シラバス/PMBOK(プロジェクト憲章))

33. プロジェクト計画書に記載する内容として適切でないものはどれか。

  1. スコープ(作業範囲・成果物範囲)
  2. スケジュール(日程計画)
  3. コスト(予算計画)
  4. 個々の従業員の給与明細

計画書にはスコープ・スケジュール・コスト・品質・リスクなどの計画を記すが、個人の給与明細は含めない。 (ITパスポート試験 シラバス/プロジェクト計画)

34. プロジェクトのライフサイクルにおいて、プロジェクト憲章が作成・承認される時期として最も適切なものはどれか。

  1. 終結の段階(成果物を引き渡した後)
  2. 立上げの段階(プロジェクト開始を公式に認可するとき)
  3. 実行の段階の中盤
  4. プロジェクト完了報告を提出した後

プロジェクト憲章は立上げプロセス群で作成され、プロジェクトを公式に開始・認可する役割をもつ。 (JIS Q 21500:2018 4.2.2 プロセス群/プロジェクト憲章)

35. プロジェクトがもつ特徴を最も適切に表しているものはどれか。

  1. 終了日を定めず、同じ作業を継続的に繰り返す定常業務である
  2. 成果物が完全に標準化され、毎回まったく同じ製品を大量生産する活動である
  3. 開始日と終了日が定められ、独自の成果物やサービスを生み出す活動である
  4. 期限も計画も設けず、担当者が個人の裁量で進める活動である

プロジェクトは、開始日と終了日をもつ「有期性」と、独自の成果物を生み出す「独自性」という二つの特徴をもつ。 (JIS Q 21500:2018/ITパスポート試験 シラバス(IPA))

無料ではじめる