本分野はシラバスVer.6.5の大分類8「コンピュータシステム」のうち、中分類15「コンピュータ構成要素」(40.プロセッサ、41.メモリ、42.入出力デバイス)と中分類16「システム構成要素」(43.システムの構成、44.システムの評価指標)に位置づけられる。コンピュータは演算・制御・記憶・入力・出力の五大機能から成る。プロセッサの用語例はCPU・マルチコアプロセッサ・GPU・GPGPU・クロック周波数で、GPGPUはGPUの並列演算能力を画像処理以外の汎用計算に応用する技術。計算例:クロック周波数1.6GHzのCPUは1秒間に16億クロックを刻むため、1命令に4クロック要するなら実行命令数は16億÷4=4億回/秒(H23特別問60)。また同一種類のCPUではクロック周波数を上げるほど発熱量が増えるため放熱対策が重要で、クロック周波数はネットワークの転送速度とは無関係(H27秋問63)。
メモリは記憶階層で整理する。アクセス速度は「キャッシュメモリ>主記憶>補助記憶」の順で、キャッシュメモリはCPUと主記憶の速度差を埋める高速メモリ。RAM(DDR3〜DDR5 SDRAM等)は電源を切ると内容が消える揮発性メモリ、ROMは不揮発性メモリで、フラッシュメモリは電気的に書換え可能な不揮発性メモリとしてUSBメモリ・SDカード・SSDに用いられる(補助記憶はHDD・SSDなど)。項目42ではUSB・Bluetooth・NFC・HDMIなどの入出力インタフェースと、センサー・アクチュエータを備えるIoT機器・組込み機器も扱う。
システムの構成の用語例は仮想化(ホスト型・ハイパーバイザー型・コンテナ型の3方式)、VM、VDI、シンクライアント、NAS、RAID、クラスタ、ピアツーピア、マイグレーション(ライブマイグレーション)。処理形態は集中処理・分散処理・並列処理・レプリケーション、利用形態は対話型処理・リアルタイム処理・バッチ処理。評価指標は性能=レスポンスタイム(応答時間)・ベンチマーク、経済性=初期コスト・運用コスト・TCO(Total Cost of Ownership)で、TCOは初期コストだけでなく運用コストを含めた総所有費用で経済性を評価する。
1. コンピュータを構成する5つの基本機能(5大機能)の組合せとして適切なものはどれか。
コンピュータは演算・制御・記憶・入力・出力の5大機能から構成され、これらが連携して動作する。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」(1)コンピュータの構成(5大機能))
2. CPUが動作の同期をとるための信号である「クロック周波数」の単位はどれか。
クロック周波数は動作の同期をとる信号の周波数で、単位はHz(ヘルツ)である。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」用語例=クロック周波数)
3. CPUのクロック周波数が1GHzのとき、1秒間に発生するクロックの回数はおよそいくつか。
1GHz=10億Hzであり、1秒間に約10億回のクロックを刻む。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」用語例=クロック周波数)
4. マルチコアプロセッサの説明として適切なものはどれか。
マルチコアプロセッサは1つのCPU内に複数のコアをもち、処理を並列実行して性能を高める。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」用語例=マルチコアプロセッサ)
5. 3次元グラフィックスの描画など、画像処理を高速に行うことを主目的とした演算装置はどれか。
GPU(Graphics Processing Unit)は3次元描画など画像処理を高速に行う専用の演算装置である。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」用語例=GPU)
6. GPGPUの説明として適切なものはどれか。
GPGPUはGPUの高い並列演算能力を、画像処理以外の汎用計算(AIや科学技術計算など)にも活用する技術である。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」用語例=GPGPU)
7. 同一アーキテクチャ(設計方式)のCPUどうしを比べたとき、一般に処理が速いといえるのはどれか。
同一アーキテクチャではクロック周波数が高いほど単位時間当たりの処理が多く、処理が速い。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」用語例=クロック周波数)
8. 命令を解読して演算や各装置の制御を行う、コンピュータの中心的な処理装置はどれか。
CPU(中央処理装置)は命令を解読し、演算や各装置の制御を担う中心的な処理装置である。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」(1)コンピュータの構成)
9. CPUをデュアルコアからクアッドコアに変更したときに期待できる主な効果として、最も適切なものはどれか。
コア数が増えると、対応ソフトウェアでは複数の処理を並列実行でき、処理性能の向上が期待できる。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」用語例=マルチコアプロセッサ)
10. CPUを構成する制御装置の役割として最も適切なものはどれか。
制御装置は命令を解読して各装置に指示を出す。四則・論理演算は演算装置が行う。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」(1)コンピュータの構成)
11. 2つのCPUの処理の速さを、クロック周波数の高低だけで比較してよいのはどのような場合か。
クロック周波数だけでの速度比較は同一アーキテクチャで有効。設計が異なると1クロックあたりの処理量が違うため単純比較できない。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」用語例=クロック周波数)
12. CPUの処理性能に主に関係する要素の組合せはどれか。
同一設計ではクロック周波数が高いほど、またコア数が多く並列処理できるほど処理性能が高まる。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番40「プロセッサ」用語例=クロック周波数・マルチコアプロセッサ)
13. USBでハブを使って機器を接続するとき、1台のコンピュータに接続できる理論上の最大機器数はどれか。
USBはデバイスアドレスが7ビットのため、理論上最大127台まで接続できる。 (USB規格(デバイスアドレス7ビット)/基本情報技術者試験 平成15年春 問28)
14. USBがもつ、コンピュータの電源を入れたまま機器を抜き差しできる特徴を何というか。
電源を入れたまま機器を抜き差しできる特徴をホットプラグという。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」用語例=USB(ホットプラグ))
15. USBの「バスパワー」の説明として適切なものはどれか。
バスパワーはUSBケーブルを通じて接続機器に給電する仕組みで、機器に別途電源が不要になる。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」用語例=USB(バスパワー))
16. USB2.0(Hi-Speed)とUSB3.0(SuperSpeed)の最大転送速度の組合せとして適切なものはどれか。
USB2.0(Hi-Speed)は最大480Mbps、USB3.0(SuperSpeed)は最大5Gbpsである。 (USB-IF(USB Implementers Forum)規格仕様)
17. 1本のケーブルで映像と音声をまとめてデジタル伝送し、テレビやディスプレイの接続に広く使われるインタフェースはどれか。
HDMIは1本のケーブルで映像と音声をデジタル伝送し、テレビやディスプレイ接続に広く使われる。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」用語例=HDMI)
18. 主にPCとディスプレイの接続に用いられ、VESAが策定した映像・音声用のデジタルインタフェースはどれか。
DisplayPortはVESAが策定した、PCとディスプレイ接続に用いる映像・音声用デジタルインタフェースである。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」(1)入出力インタフェース)
19. マウスやワイヤレスイヤホンなどを、数メートル程度の近距離で無線接続するのに広く使われる規格はどれか。
Bluetoothは数メートル程度の近距離無線で、マウスやイヤホンなどの接続に広く使われる。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」用語例=Bluetooth)
20. 赤外線を利用して近距離でデータ通信を行い、間に遮蔽物があると通信できないインタフェースはどれか。
IrDAは赤外線による近距離無線通信で、送受信の間に遮蔽物があると通信できない。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」用語例=IrDA)
21. 交通系ICカードやスマートフォンの非接触決済で使われる、約10cmのごく近距離でかざして通信する無線技術はどれか。
NFC(Near Field Communication)は約10cmの近距離無線通信で、非接触ICカードや決済に利用される。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」用語例=NFC)
22. ICタグ(電子タグ)の情報を電波で読み取り、商品管理や在庫管理などに利用する仕組みはどれか。
RFIDはICタグの情報を電波で読み取る仕組みで、商品・在庫管理などに使われる。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」用語例=RFID)
23. OSが周辺機器を制御できるようにするために組み込む、機器ごとの専用ソフトウェアを何というか。
デバイスドライバはOSが周辺機器を制御できるようにする、機器ごとの専用ソフトウェアである。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」(3)デバイスドライバ)
24. USBでプリンタを接続すると、OSが自動的に機器を認識して必要な設定を行った。この仕組みを何というか。
接続した機器をOSが自動的に認識・設定する仕組みをプラグアンドプレイという。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」用語例=プラグアンドプレイ)
25. データ転送方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。
シリアルは1ビットずつ順に送る方式で、信号のずれを避けやすく高速化しやすいためUSB等で採用。パラレルは複数ビットを同時に送る。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番42「入出力デバイス」(1)入出力インタフェース)
26. システムの稼働率を表す式として適切なものはどれか。ここでMTBFは平均故障間動作時間、MTTRは平均修復時間とする。
稼働率はMTBF÷(MTBF+MTTR)で求める。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番44「システムの評価指標」用語例=稼働率、MTBF、MTTR)
27. MTBFが95時間、MTTRが5時間のシステムの稼働率はいくらか。
稼働率=95÷(95+5)=95÷100=0.95。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番44「システムの評価指標」用語例=稼働率、MTBF、MTTR)
28. MTBFとMTTRの説明として適切な組合せはどれか。
MTBFは正常に稼働している平均時間、MTTRは修復に要する平均時間である。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番44「システムの評価指標」用語例=MTBF、MTTR)
29. 稼働率0.9の装置Aと稼働率0.8の装置Bを直列に接続し、両方が正常なときだけ動作するシステムの稼働率はいくらか。
直列システムの稼働率は各稼働率の積で、0.9×0.8=0.72。 (IPA情報処理技術者試験 稼働率計算の標準公式(直列=A×B))
30. 稼働率0.8の装置2台を並列に接続し、どちらか一方が動作していればよいシステムの稼働率はいくらか。
並列システムの稼働率=1−(1−0.8)(1−0.8)=1−0.04=0.96。 (IPA情報処理技術者試験 稼働率計算の標準公式(並列=1−(1−A)(1−B)))
31. デュアルシステムの説明として適切なものはどれか。
デュアルシステムは2系統で同一処理を並行実行し、結果を照合して信頼性を高める方式である。切替方式はデュプレックス。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番44(2)②信頼性の設計 用語例=デュアルシステム)
32. デュプレックスシステムの説明として適切なものはどれか。
デュプレックスは現用系と待機系をもち、現用系の障害時に待機系へ切り替える方式である。並行処理+照合はデュアル。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番44(2)②信頼性の設計 用語例=デュプレックスシステム)
33. 待機系のサーバを普段から起動・待機させておき、現用系が故障したら短時間で自動的に切り替えて処理を続ける方式はどれか。
待機系を常時起動しておき即時に切り替えるのがホットスタンバイ。停止状態で待機し起動に時間がかかるのがコールドスタンバイ。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番44(2)②信頼性の設計 用語例=ホットスタンバイ、コールドスタンバイ)
34. 複数のディスクにデータを分散して書き込み、読み書きを高速化する(ただし冗長性はない)RAIDのレベルはどれか。
RAID0(ストライピング)はデータを複数ディスクに分散書き込みして高速化するが、冗長性はない。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番43「システムの構成」(2)用語例=RAID)
35. 同じデータを2台のディスクに書き込んで二重化し、片方が故障してもデータを守るRAIDのレベルはどれか。
RAID1(ミラーリング)は同一データを2台に書き込み、片方の故障に備えて耐障害性を高める。 (IPA ITパスポート試験シラバスVer.6.5 項番43「システムの構成」(2)用語例=RAID)