著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生し、登録・出願・表示などの方式を一切必要としない(無方式主義)。保護期間は原則として著作者の死後70年(TPP11整備法により2018年12月30日に死後50年から延長)。プログラムは「プログラムの著作物」として保護される一方、プログラム言語・規約(プロトコル等の約束事)・解法(アルゴリズム)は保護対象外という区別が頻出する。これに対し産業財産権は特許庁への出願・登録によって権利が発生する。存続期間は起算点とセットで暗記しよう。
不正競争防止法の「営業秘密」は、秘密管理性・有用性・非公知性の3要件をすべて満たす必要がある。個人情報保護法では、人種・信条・病歴・犯罪歴などの「要配慮個人情報」の取得に原則として本人の事前同意が必要で、オプトアウト方式による第三者提供はできない。要配慮個人情報の漏えい、財産的被害のおそれ、不正アクセス等の不正目的によるもの、1,000人超の漏えいの4類型では、個人情報保護委員会への報告(速報3〜5日以内・確報原則30日以内)と本人への通知が義務である(令和2年改正、2022年4月1日施行)。マイナンバー(個人番号)は12桁で、利用は社会保障・税・災害対策の分野に限定される。一方、法人番号は13桁で公表され、誰でも自由に利用できる。
セキュリティ関連法では、サイバーセキュリティ基本法(2014年成立)が国・地方公共団体・重要社会基盤事業者等の責務とサイバーセキュリティ戦略本部の設置を規定する。不正アクセス禁止法は、他人のID・パスワードを無断入力する「なりすまし」やセキュリティホールを突いてアクセス制御機能を回避する行為を禁止し、法定刑は3年以下の懲役(現・拘禁刑)又は100万円以下の罰金。2012年改正でフィッシング行為や識別符号の不正取得・保管も処罰対象に追加された。ウイルス作成罪(不正指令電磁的記録作成等罪、2011年の刑法改正で新設)は3年以下の懲役(現・拘禁刑)又は50万円以下の罰金である。
労働法規では指揮命令権の所在が最頻出。労働者派遣では雇用契約は派遣元事業主と労働者の間にあり、業務上の指揮命令は派遣先が行う。請負では注文者は受託側の労働者に直接指揮命令できず、行えば「偽装請負」として違法になる。法定労働時間は1日8時間・週40時間で、時間外労働には36協定の締結・労働基準監督署への届出が必要(上限は原則月45時間・年360時間)。このほか、民法・下請法とソフトウェアのライセンス契約、コンプライアンスと情報倫理(ネチケット)、JIS・ISO・バーコード・QRコードといった標準化も本分野の出題範囲として整理しておこう。
1. 日本の著作権法における著作権の発生に関する記述として、適切なものはどれか。
著作権は無方式主義を採用しており、創作と同時に自動的に発生する。出願・登録によって発生する特許権などの産業財産権との違いがよく問われる。 (著作権法第17条第2項(ベルヌ条約の無方式主義))
2. 日本の著作権法において、著作権(著作財産権)の保護期間の原則はどれか。
著作権の保護期間は原則として著作者の死後70年であり、TPP11整備法(2018年12月30日施行)により死後50年から延長された。 (著作権法第51条第2項(TPP11整備法による改正))
3. ソフトウェアに関連するもののうち、著作権法による保護の対象とならないものはどれか。
プログラム自体はソースコード・オブジェクトコードとも「プログラムの著作物」として保護されるが、プログラム言語・規約・解法(アルゴリズム)は保護の対象外と定められている。 (著作権法第10条第1項第9号・第10条第3項)
4. 著作権法による保護の対象となり得るものはどれか。
操作マニュアルは言語の著作物として保護され得る。一方、プログラム言語・規約・解法は著作権法により保護の対象から除外されている。 (著作権法第10条第1項第1号・第10条第3項)
5. ソフトウェア会社A社の従業員Bが、A社の発意に基づき職務としてプログラムを開発した。契約や勤務規則に特段の定めがない場合、このプログラムの著作者は誰か。
法人等の発意に基づき、その業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物は、別段の定めがない限り法人等が著作者となる(職務著作)。 (著作権法第15条第2項(職務著作))
6. 会社の従業員が職務上作成したプログラムについて、その会社が著作者(職務著作)となるための要件として、必要のないものはどれか。
一般の著作物と異なり、プログラムの著作物の職務著作では「法人等の名義で公表されること」は要件とされていない。社内でのみ利用され公表されないプログラムも法人著作となり得る。 (著作権法第15条第1項・第2項)
7. A社は自社の業務システムの開発をソフトウェア会社B社に委託し、B社の従業員がプログラムを作成した。著作権の帰属について契約で取り決めていない場合、完成したプログラムの著作権はどうなるか。
プログラムは職務著作により作成した側の法人であるB社が著作者となり、契約に定めがなければ著作権は委託元に移転しない。委託開発では契約で権利帰属を明確にすることが重要である。 (著作権法第15条第2項・第17条)
8. A社からB社に派遣された派遣労働者Cが、B社の指揮命令の下で職務としてプログラムを開発した。契約等に特段の定めがない場合、このプログラムの著作権の帰属として、適切なものはどれか。
派遣労働者は派遣先の指揮命令下でその業務に従事する者に当たるため、派遣先の発意に基づき職務上作成したプログラムは、派遣先B社の職務著作としてB社に著作権が帰属する。 (著作権法第15条第2項(派遣労働者の職務著作の取扱い))
9. 著作者人格権に関する記述として、適切なものはどれか。
著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)は著作者の一身に専属し、譲渡できない。職務著作では法人が著作者となるため、法人も著作者人格権を持ち得る。 (著作権法第18条〜第20条・第59条)
10. 市販のソフトウェアパッケージを購入した利用者の行為のうち、著作権者の許諾を得なくても著作権法上認められているものはどれか。
プログラムの複製物の所有者は、自ら実行するために必要と認められる限度で複製・翻案(バックアップなど)ができる。販売や配布を目的とした複製は複製権の侵害となる。 (著作権法第47条の3)
11. 著作権の侵害に当たる行為はどれか。
ライセンスで認められた範囲を超える複製・利用は複製権の侵害となる。アイデアやアルゴリズムの利用、保護期間満了後の著作物の利用は著作権侵害に当たらない。 (著作権法第21条(複製権)・第113条)
12. インターネット上で無償公開されているソフトウェアの著作権に関する記述として、適切なものはどれか。
著作権は無方式主義により創作時に自動的に発生し、無償公開や©表示の有無によって消滅しない。フリーソフトウェアやOSSもライセンス条件に従って利用する必要がある。 (著作権法第17条第2項(無方式主義))
13. データベースの著作権法上の扱いに関する記述として、適切なものはどれか。
情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するデータベースは「データベースの著作物」として保護される。個々のデータや事実そのものは著作物ではない。 (著作権法第12条の2)
14. 著作権法が保護する対象の考え方として、適切なものはどれか。
著作権法は思想又は感情を創作的に「表現したもの」を保護し、アイデア自体は保護しない。発明は特許法、マークは商標法の保護対象である。 (著作権法第2条第1項第1号・第10条)
15. 正当な理由なくコンピュータウイルスを作成・提供する行為を処罰する「ウイルス作成罪(不正指令電磁的記録作成等罪)」を規定している法律はどれか。
ウイルス作成罪は2011年(平成23年)の刑法改正で新設された刑法第168条の2の罪である。不正アクセス禁止法の規定と混同しないよう注意が必要である。 (刑法第168条の2(平成23年刑法改正で新設))
16. 正当な理由なくコンピュータウイルス(不正指令電磁的記録)を作成・提供した者に科される法定刑はどれか。
ウイルス作成罪の法定刑は3年以下の懲役(現・拘禁刑)又は50万円以下の罰金である。「100万円以下の罰金」は不正アクセス禁止法違反の法定刑であり、混同しやすい。 (刑法第168条の2(法務省解説))
17. ウイルス作成罪(不正指令電磁的記録に関する罪)に関する記述として、適切なものはどれか。
人の電子計算機で実行させる目的で正当な理由なく作成・提供すれば、実際に実行させる前でも犯罪が成立する。供用のほか、取得・保管も別に処罰される(刑法第168条の3)。 (刑法第168条の2・第168条の3)
18. 次の行為のうち、ウイルス作成罪(不正指令電磁的記録作成等罪)に問われるおそれが最も高いものはどれか。
本罪は「正当な理由がないのに」人の電子計算機で実行させる目的で作成・提供する行為を処罰する。ウイルス対策や研究・教育を目的とした作成・解析には正当な理由があり、処罰の対象とならない。 (刑法第168条の2第1項(法務省解説))
19. プロバイダ責任制限法が定めている内容として、適切なものはどれか。
プロバイダ責任制限法は、掲示板やSNSで名誉毀損・著作権侵害などの情報が流通した場合に、プロバイダ等が負う損害賠償責任の制限と、被害者の発信者情報開示請求権を定めている。 (プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)第3条・第5条)
20. SNS上の匿名アカウントから誹謗中傷を受けた者が、投稿者を特定して損害賠償を請求するために、プロバイダ等へ投稿者の氏名や住所などの開示を求める根拠となる法律はどれか。
プロバイダ責任制限法に基づき、権利を侵害された被害者はプロバイダ等に対して発信者情報(氏名・住所等)の開示を請求できる。 (プロバイダ責任制限法第5条(発信者情報開示請求))
21. インターネット掲示板に自社の名誉を毀損する書き込みをされた企業が、プロバイダ責任制限法に基づいて掲示板の管理者(プロバイダ等)に求めることができるものはどれか。
被害者はプロバイダ等に対して権利侵害情報の送信防止措置(削除)を申し出るとともに、損害賠償請求などに必要な発信者情報の開示を請求できる。逮捕などの強制措置は捜査機関の権限である。 (プロバイダ責任制限法第3条・第5条)
22. プロバイダ責任制限法における、プロバイダ等の損害賠償責任に関する記述として、適切なものはどれか。
プロバイダ等は、権利侵害情報の存在を知っていた場合や知り得た相当の理由がある場合などを除き、被害者への賠償責任を負わない。また一定の要件を満たせば、投稿を削除しても発信者への責任を免れる。 (プロバイダ責任制限法第3条第1項・第2項)
23. 特定電子メール法における広告宣伝メールの送信の原則として、適切なものはどれか。
2008年の法改正により、広告宣伝メールは原則としてあらかじめ同意した相手にだけ送信できるオプトイン方式が導入された。 (特定電子メールの送信の適正化等に関する法律第3条第1項)
24. 特定電子メール法が規制の対象とする「特定電子メール」に該当するものはどれか。
特定電子メールとは、営業上のサービスや商品などの広告・宣伝を行う手段として送信される電子メールを指し、いわゆる迷惑メール規制の対象である。 (特定電子メール法第2条第2号)
25. 特定電子メール法により、広告宣伝メールの送信者に義務付けられている事項はどれか。
送信者には氏名・名称や受信拒否(オプトアウト)の連絡先などの表示義務があり、受信拒否の通知を受けた者への再送信は禁止される。 (特定電子メール法第4条・第3条第3項)
26. 特定電子メール法に違反する行為はどれか。
受信拒否(オプトアウト)の通知をした者への広告宣伝メールの送信は禁止されている。同意を得た相手への送信や、広告宣伝目的でないメールは規制の対象外である。 (特定電子メール法第3条第3項)
27. 特定電子メール法において、あらかじめ同意を得ていなくても広告宣伝メールを送信できる相手はどれか。
取引関係にある者や、名刺などの書面で自己のメールアドレスを通知した者などに対しては、例外的に同意なしで広告宣伝メールを送信できる。この場合も受信拒否の通知後の送信は禁止される。 (特定電子メール法第3条第1項第2号〜第4号)
28. 産業財産権に含まれる権利の組合せとして、適切なものはどれか。
産業財産権は特許庁が所管する特許権・実用新案権・意匠権・商標権の4つである。著作権(文化庁所管)、育成者権、回路配置利用権は産業財産権には含まれない。 (特許法・実用新案法・意匠法・商標法(特許庁「産業財産権制度」))
29. 特許権の存続期間に関する記述として、適切なものはどれか(存続期間の延長は考えないものとする)。
特許権の存続期間は特許出願の日から20年で終了する。設定登録の日ではなく、出願日から起算する点が問われやすい。 (特許法第67条第1項)
30. 産業財産権のうち、更新登録の申請を繰り返すことによって半永久的に権利を維持できるものはどれか。
商標権の存続期間は設定登録の日から10年だが、更新登録の申請によって何度でも更新でき、産業財産権の中で唯一半永久的に権利を維持できる。 (商標法第19条)
31. 意匠法による保護の対象として、最も適切なものはどれか。
意匠法は物品の形状・模様・色彩など、視覚を通じて美感を起こさせるデザイン(意匠)を保護する。技術的アイデアは特許法、ロゴは商標法、秘密の技術情報は不正競争防止法の対象である。 (意匠法第2条第1項)
32. 実用新案法に関する記述として、適切なものはどれか。
実用新案法はいわゆる小発明(物品の形状・構造・組合せに係る考案)を保護し、実体審査を行わない無審査主義を採用している。存続期間は出願の日から10年である。 (実用新案法第14条第2項・第15条)
33. 2020年4月1日以降に出願された意匠に係る意匠権の存続期間として、適切なものはどれか。
令和元年の意匠法改正(2020年4月1日施行)により、意匠権の存続期間は「設定登録の日から20年」から「出願の日から25年」に変更された。 (意匠法第21条第1項(令和元年改正))
34. 権利の発生に関する産業財産権と著作権の違いについて、適切な記述はどれか。
特許権などの産業財産権は特許庁への出願と設定登録によって発生するのに対し、著作権は創作と同時に発生し、登録などの方式を一切必要としない(無方式主義)。 (特許法第66条、著作権法第17条第2項)
35. いわゆるビジネスモデル特許(ビジネス関連発明)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ビジネス方法それ自体は自然法則を利用した技術的思想に当たらず特許にならないが、ICTを利用して実現された仕組みはビジネス関連発明として特許の対象となり得る。権利発生の手続や存続期間は通常の特許と同じである。 (特許法第2条第1項・第29条(特許庁「ビジネス関連発明」))