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🎯 経営戦略マネジメントとマーケティング

経営戦略マネジメントとマーケティングの要点

本分野はシラバスVer.6.5でストラテジ系・大分類2「経営戦略」の中分類3に位置づけられ、「9 経営戦略手法」「10 マーケティング」「11 ビジネス戦略と目標・評価」「12 経営管理システム」の4つの小分類で構成される。SWOT分析は、強み(S)・弱み(W)=内部環境、機会(O)・脅威(T)=外部環境という対応が定番の出題ポイント。BCGが提唱したPPMは、縦軸に市場成長率、横軸に市場占有率をとり事業を4象限に分類する。低成長・高シェアの「金のなる木」は追加投資をあまり要さず安定した資金流入をもたらす資金供給源、高成長・低シェアの「問題児」は花形に育てるのに追加投資が必要、ともに低い「負け犬」は撤退・縮小の検討対象となる。アンゾフの成長マトリクスは製品×市場の2軸で、既存×既存=市場浸透、新規×新規=多角化。競争戦略では、他社が容易に模倣できない中核能力であるコアコンピタンス、経営資源を経済価値・希少性・模倣困難性・組織の4観点で評価するVRIO分析、ニッチ戦略、M&A・アライアンスを押さえる。

マーケティングはSTP(セグメンテーション→ターゲティング→ポジショニング)の手順が基本。売り手視点の4P(Product=製品・Price=価格・Place=流通・Promotion=プロモーション)は、買い手視点の4C(顧客価値・顧客コスト・利便性・コミュニケーション)と1対1で対応する。価格戦略では、導入期に高価格を設定して開発費用の早期回収を狙うスキミングプライシングと、低価格で短期間の市場浸透・シェア獲得を狙うペネトレーションプライシングを区別し、需要状況に応じて価格を変動させるダイナミックプライシングも押さえる。RFM分析は最終購買日(Recency)・購買頻度(Frequency)・累計購買金額(Monetary)の3指標で顧客を評価・グループ化し、優良顧客の識別や販促対象の選定に使う。オムニチャネルやOne to Oneマーケティングも頻出用語。

ビジネス戦略と目標・評価では、BSC(バランススコアカード)、CSF(重要成功要因)、最終目標の達成度を測るKGIと中間プロセスの達成度を測るKPIの関係を整理する。経営管理システムは略語・日本語訳・目的をセットで暗記しよう。

仕上げに、事業活動を主活動と支援活動に分けて価値の源泉を分析するバリューチェーン分析と、個人の知識・ノウハウを組織全体で共有・活用するナレッジマネジメントも確認しておこう。

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例題 (35)

1. 企業の経営戦略立案に用いられるSWOT分析の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 市場成長率と市場占有率の2軸で自社の事業を4つに分類し、経営資源の配分を検討する手法である。
  2. 自社の内部環境を強みと弱み、自社を取り巻く外部環境を機会と脅威に整理して、経営戦略の立案に活用する手法である。
  3. 製品と市場をそれぞれ既存と新規に分け、企業の成長戦略の方向性を4つに分類する手法である。
  4. 財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の4つの視点から企業の業績を評価する手法である。

SWOT分析は、内部環境を強み(S)・弱み(W)、外部環境を機会(O)・脅威(T)の4要素に整理する分析手法である。他の選択肢はそれぞれPPM、アンゾフの成長マトリクス、BSCの説明である。 (IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 中分類3「9 経営戦略手法」用語例(SWOT分析、内部環境、外部環境))

2. SWOT分析の4つの要素のうち、自社の内部環境に分類される組合せとして適切なものはどれか。

  1. 強みと弱み
  2. 強みと機会
  3. 機会と脅威
  4. 弱みと脅威

強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)は自社の内部環境、機会(Opportunities)と脅威(Threats)は自社を取り巻く外部環境に分類される。 (IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 中分類3「9 経営戦略手法」用語例(SWOT分析、内部環境、外部環境))

3. 飲料メーカーのA社がSWOT分析を行った。次の事項のうち、「機会」に分類されるものとして最も適切なものはどれか。

  1. 自社が長年培ってきた独自の製造技術
  2. 競合他社による低価格商品の相次ぐ投入
  3. 健康志向の高まりによる無糖飲料市場の拡大
  4. 自社の販売網が特定の地域に偏っていること

機会は自社にとって追い風となる外部環境の変化を指し、市場の拡大はその典型例である。独自技術は強み、競合の低価格攻勢は脅威、販売網の偏りは弱みに当たる。 (IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ「9 経営戦略手法」用語例(SWOT分析、外部環境))

4. 製造業のB社がSWOT分析を実施している。「脅威」に分類される事項として最も適切なものはどれか。

  1. 自社ブランドの知名度が低いこと
  2. 自社工場の生産能力に余裕があること
  3. 政府の補助金制度によって自社製品の需要が伸びていること
  4. 主要な原材料の価格高騰が続いていること

脅威は自社に不利に働く外部環境の要因であり、原材料価格の高騰が該当する。知名度の低さは内部環境の弱み、生産能力の余裕は強み、補助金による需要増は機会である。 (IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ「9 経営戦略手法」用語例(SWOT分析、外部環境))

5. C社がSWOT分析を行ったところ、強みは「高い技術力による高品質な製品」、機会は「環境規制の強化による省エネ製品需要の拡大」であった。自社の強みを生かして外部環境の機会を捉えるという考え方に基づく施策として、最も適切なものはどれか。

  1. 高い技術力を生かした省エネ製品を開発し、拡大する需要を取り込む
  2. 販売網の弱さを補うために、販売代理店との提携を強化する
  3. 競合他社の低価格攻勢に対抗するために、主力製品の値下げを行う
  4. 収益性の低い事業から撤退し、経営資源を既存の主力事業に集中させる

強み(S)と機会(O)を組み合わせる戦略では、自社の強みを活用して外部環境の機会を最大限に取り込む施策を立案する。技術力を生かして拡大する省エネ需要を取り込む施策がこれに該当する。 (IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ「9 経営戦略手法(1)経営情報分析手法」(SWOT分析の戦略立案への活用))

6. PPM(Product Portfolio Management)において、自社の事業や製品を4つの象限に分類する際に用いる2つの軸の組合せとして、適切なものはどれか。

  1. 売上高と営業利益率
  2. 製品(既存・新規)と市場(既存・新規)
  3. 市場成長率と市場占有率
  4. 顧客満足度と市場規模

PPMはボストンコンサルティンググループが提唱した手法で、縦軸に市場成長率、横軸に市場占有率をとり、事業を「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」の4象限に分類する。 (B.D.ヘンダーソン(ボストンコンサルティンググループ)「The Product Portfolio」(1970年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「PPM」)

7. PPMにおいて「花形」に分類されるのは、どのような事業か。

  1. 市場成長率が低く、市場占有率が高い事業
  2. 市場成長率が高く、市場占有率も高い事業
  3. 市場成長率が高く、市場占有率が低い事業
  4. 市場成長率が低く、市場占有率も低い事業

花形は高成長・高シェアの事業であり、大きな資金流入がある一方、成長市場でシェアを維持するための投資も必要となる。低成長・高シェアは金のなる木、高成長・低シェアは問題児、低成長・低シェアは負け犬である。 (B.D.ヘンダーソン(BCG)のグロースシェアマトリクス(1970年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「PPM」)

8. PPMで分析した結果、ある事業は市場成長率が高いものの、自社の市場占有率は低いことが分かった。この事業の分類と一般的な対応の組合せとして、最も適切なものはどれか。

  1. 問題児に分類され、花形に育成するために追加投資を行うかどうかを判断する
  2. 花形に分類され、シェア維持のための投資を継続する
  3. 金のなる木に分類され、得られた資金を他の事業に配分する
  4. 負け犬に分類され、撤退や事業縮小を検討する

高成長・低シェアの事業は「問題児」であり、シェアを高めて花形に育てるには多額の追加投資が必要となるため、投資を行うか撤退するかの判断が求められる。 (BCGグロースシェアマトリクス(1970年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「PPM」)

9. PPMの考え方において、追加投資をあまり必要とせず安定した資金流入をもたらすことから、他の事業への投資資金の供給源と位置づけられる事業はどれか。

  1. 市場成長率が高く、市場占有率が高い事業
  2. 市場成長率が高く、市場占有率が低い事業
  3. 市場成長率が低く、市場占有率が低い事業
  4. 市場成長率が低く、市場占有率が高い事業

低成長・高シェアの「金のなる木」は、市場の成長が鈍いため追加投資が少なくて済む一方、高いシェアによる安定した資金流入があり、問題児や花形への投資資金の供給源となる。 (BCGグロースシェアマトリクス(1970年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「PPM」)

10. D社はPPMを用いて自社の4つの事業を分析し、事業ア(市場成長率:低、市場占有率:高)、事業イ(市場成長率:高、市場占有率:低)、事業ウ(市場成長率:高、市場占有率:高)、事業エ(市場成長率:低、市場占有率:低)と位置づけた。PPMの考え方に基づく経営資源配分の方針として、最も適切なものはどれか。

  1. 事業エに集中的に追加投資を行い、市場占有率の回復を図る
  2. 事業アで得た資金を、将来性のある事業イの育成に投資する
  3. 事業ウから直ちに撤退し、投資資金を回収する
  4. 事業イで得られる豊富な資金を、事業アの拡大に投資する

事業アは「金のなる木」で資金の供給源、事業イは「問題児」で育成に追加投資が必要であり、金のなる木の資金を問題児の育成に振り向けるのがPPMの典型的な資源配分である。負け犬(事業エ)は撤退・縮小の検討対象、花形(事業ウ)は投資を継続する対象となる。 (BCGグロースシェアマトリクス(1970年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「PPM」)

11. アンゾフの成長マトリクスにおいて、企業の成長戦略を4つに分類する際に用いる2つの軸として、適切なものはどれか。

  1. 製品(既存・新規)と市場(既存・新規)
  2. 市場成長率と市場占有率
  3. 内部環境と外部環境
  4. 価格と品質

アンゾフの成長マトリクスは、製品と市場をそれぞれ既存・新規に分け、成長戦略を市場浸透、新市場開拓、新製品開発、多角化の4つに分類する。 (H.I.アンゾフ「Strategies for Diversification」(Harvard Business Review、1957年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「アンゾフの成長マトリクス」)

12. アンゾフの成長マトリクスにおいて、既存の製品を既存の市場に投入し、販売促進の強化などによって市場占有率の拡大を図る戦略はどれか。

  1. 多角化
  2. 新市場開拓
  3. 市場浸透
  4. 新製品開発

既存製品×既存市場の組合せは市場浸透戦略であり、広告や販売促進の強化などによって現在の市場でのシェア拡大を図る。 (H.I.アンゾフ「Strategies for Diversification」(1957年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「アンゾフの成長マトリクス」)

13. 国内市場向けに販売してきた既存の製品を、初めて海外市場に投入して販売する戦略は、アンゾフの成長マトリクスのどれに該当するか。

  1. 市場浸透
  2. 新市場開拓
  3. 新製品開発
  4. 多角化

既存製品を新規の市場(新たな地域や顧客層)に投入する戦略は、新市場開拓に該当する。 (H.I.アンゾフ「Strategies for Diversification」(1957年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「アンゾフの成長マトリクス」)

14. アンゾフの成長マトリクスにおける「多角化」に該当する事例として、最も適切なものはどれか。

  1. 既存製品の広告宣伝を強化し、既存顧客の購入頻度を高める
  2. 既存製品を新たな地域の市場で販売する
  3. 既存顧客向けに、新機能を追加した新製品を投入する
  4. 新規に開発した製品を、これまで参入していなかった市場で販売する

多角化は新規製品×新規市場の組合せであり、これまでと異なる製品を異なる市場に投入する戦略である。他の選択肢は順に市場浸透、新市場開拓、新製品開発に該当する。 (H.I.アンゾフ「Strategies for Diversification」(1957年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「アンゾフの成長マトリクス」)

15. コアコンピタンスの説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 競合他社が容易に模倣できない、自社の中核となる独自の技術やノウハウの組合せ
  2. 業界内のどの企業でも標準的に導入されている生産設備
  3. 市場で広く販売されているパッケージソフトウェアを導入して構築した業務システム
  4. 法令で義務づけられている、企業が備えるべき最低限の管理体制

コアコンピタンスは、他社が容易にまねできない自社独自の中核的な能力であり、競争優位の源泉となる。誰でも入手・導入できる設備やソフトウェアは該当しない。 (G.ハメル&C.K.プラハラード「The Core Competence of the Corporation」(Harvard Business Review、1990年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「コアコンピタンス」)

16. 自社の経営資源が持続的な競争優位の源泉となり得るかを評価するVRIO分析に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. 市場を細分化して標的とするセグメントを選定し、自社製品の位置づけを明確にする
  2. 事業を市場成長率と市場占有率の2軸で4つの象限に分類する
  3. 経営資源を経済価値、希少性、模倣困難性、組織の4つの観点から評価する
  4. 顧客を最終購買日、購買頻度、累計購買金額の3つの指標で評価する

VRIO分析は、経営資源をValue(経済価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣困難性)、Organization(組織)の4観点で評価するフレームワークである。他の選択肢はSTP、PPM、RFM分析の説明である。 (J.B.バーニー『企業戦略論(Gaining and Sustaining Competitive Advantage)』(1997年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』14ページ 用語例「VRIO分析」)

17. バランススコアカード(BSC)で企業の業績を評価する際に用いる4つの視点の組合せとして、適切なものはどれか。

  1. 強み、弱み、機会、脅威
  2. 財務、顧客、業務プロセス、学習と成長
  3. 経済価値、希少性、模倣困難性、組織
  4. 計画、実行、評価、改善

BSCは、財務の視点に加えて顧客、(内部)業務プロセス、学習と成長という視点を含む4つの視点で、戦略目標と業績をバランスよく管理する手法である。 (R.S.キャプラン&D.P.ノートン「The Balanced Scorecard: Measures That Drive Performance」(Harvard Business Review、1992年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』中分類3「11 ビジネス戦略と目標・評価」用語例「BSC」)

18. バランススコアカード(BSC)の「学習と成長」の視点で設定する指標の例として、最も適切なものはどれか。

  1. 売上高営業利益率
  2. 顧客満足度調査の評点
  3. 製造工程における不良品率
  4. 従業員の研修受講時間

学習と成長の視点は従業員の能力向上や組織の学習に関する視点であり、研修受講時間や資格取得者数などが指標の例となる。利益率は財務、顧客満足度は顧客、不良品率は業務プロセスの視点の指標である。 (R.S.キャプラン&D.P.ノートンのバランススコアカード(1992年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』「11 ビジネス戦略と目標・評価」用語例「BSC」)

19. バランススコアカード(BSC)の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 財務的な業績評価に偏らず、非財務的な視点も含めた複数の視点で戦略目標を具体的な指標に落とし込んで管理する
  2. 財務諸表の数値のみを用いて、企業の短期的な収益性を評価する
  3. 外部環境の機会と脅威を整理するための環境分析の手法である
  4. 市場占有率の高低によって各事業への資源配分を決定する手法である

BSCの特徴は、財務指標だけに偏らず、顧客・業務プロセス・学習と成長といった非財務の視点も含めてバランスよく戦略目標の達成度を管理する点にある。 (R.S.キャプラン&D.P.ノートンのバランススコアカード(1992年);IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』「11 ビジネス戦略と目標・評価」用語例「BSC」)

20. CSF(Critical Success Factors)の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 最終的な経営目標の達成度を測定するための定量的な指標
  2. 目標達成に向けた日々の活動の進捗を測定するための指標
  3. 経営目標を達成するために特に重要な影響を及ぼす要因
  4. 企業が社会的責任への取組みを公表するための報告書

CSFは「重要成功要因」と訳され、目標達成のために決定的に重要となる要因を指す。最終目標の達成度を測る定量的指標はKGI、活動の進捗を測る指標はKPIである。 (IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』中分類3「11 ビジネス戦略と目標・評価」用語例(CSF:重要成功要因))

21. KGIとKPIの関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. KGIは最終的な目標の達成度を測る指標であり、KPIはその達成に向けた活動の進捗を測る指標である
  2. KPIは最終的な目標の達成度を測る指標であり、KGIは途中のプロセスの進捗を測る指標である
  3. KGIとKPIは、いずれも数値では表せない定性的な目標にのみ用いられる
  4. KPIは、KGIが達成された後に初めて設定される指標である

KGI(重要目標達成指標)は売上高目標などの最終目標を定量化した指標、KPI(重要業績評価指標)はその達成に向けた中間的な活動の進捗を測る指標であり、両者は併せて設定・モニタリングされる。 (IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』中分類3「11 ビジネス戦略と目標・評価」用語例(KGI:重要目標達成指標、KPI:重要業績評価指標))

22. ある企業が「年間売上高を前年比10%増加させる」ことをKGIとして設定した。このKGIの達成に向けて設定するKPIの例として、最も適切なものはどれか。

  1. 年間売上高の前年比増加率
  2. 営業担当者一人当たりの月間新規顧客訪問件数
  3. 「顧客第一」を掲げた自社の経営理念
  4. 会計年度末に確定する当期純利益の額

KPIは最終目標(KGI)の達成に向けた活動の進捗を測る中間指標であり、月間の新規顧客訪問件数はその典型例である。売上高の前年比増加率はKGIそのもの、経営理念は指標ではなく、当期純利益は最終的な結果を示す指標である。 (IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』中分類3「11 ビジネス戦略と目標・評価」用語例(KGI・KPI))

23. ECサイトを運営するE社は、「年間売上高の20%増加」を最終目標とし、その達成には「リピート顧客の増加」が最も重要であると分析した。そして、その進捗を「月次のリピート購入率」で測定することにした。KGI、CSF、KPIの組合せとして、適切なものはどれか。

  1. KGI:リピート顧客の増加/CSF:月次のリピート購入率/KPI:年間売上高の20%増加
  2. KGI:月次のリピート購入率/CSF:年間売上高の20%増加/KPI:リピート顧客の増加
  3. KGI:年間売上高の20%増加/CSF:月次のリピート購入率/KPI:リピート顧客の増加
  4. KGI:年間売上高の20%増加/CSF:リピート顧客の増加/KPI:月次のリピート購入率

最終目標を定量化した「年間売上高の20%増加」がKGI、その達成の鍵となる要因である「リピート顧客の増加」がCSF、活動の進捗を測る「月次のリピート購入率」がKPIである。 (IPA『ITパスポート試験シラバス Ver.6.5』中分類3「11 ビジネス戦略と目標・評価」用語例(CSF:重要成功要因、KGI:重要目標達成指標、KPI:重要業績評価指標))

24. 競合他社が容易にまねのできない、自社ならではの中核となる独自の技術やノウハウの組合せであり、競争優位の源泉となるものを表す用語はどれか。

  1. ベンチマーキング
  2. コアコンピタンス
  3. アウトソーシング
  4. アライアンス

コアコンピタンスは、他社が模倣困難な自社中核の技術・能力・ノウハウの組合せで、競争優位の源泉となるものを指す。ベンチマーキングは優良他社の実践との比較による業務改善手法である。 (G.ハメル&C.K.プラハラード「The Core Competence of the Corporation」(Harvard Business Review、1990年)/IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」用語例「コアコンピタンス」)

25. 次の4社の取組みのうち、コアコンピタンスに該当する事例として、最も適切なものはどれか。

  1. 業界で広く利用されている市販のERPパッケージを導入し、経理業務を効率化している。
  2. 他社と同じ市販の製造装置を購入し、規格が共通の汎用部品を量産している。
  3. 期間限定の値引きセールを実施し、一時的に販売数量を伸ばしている。
  4. 長年の研究で培った独自の発酵技術によって、競合他社が再現できない風味の製品を製造している。

コアコンピタンスは他社が容易に模倣できない自社独自の中核能力を指し、長年蓄積した独自技術はその典型例である。市販パッケージや汎用装置の利用、一時的な値引きは他社にも容易にまねができる。 (G.ハメル&C.K.プラハラード「The Core Competence of the Corporation」(1990年)/IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」用語例「コアコンピタンス」)

26. コアコンピタンスに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 顧客に価値をもたらすだけでなく、競合他社による模倣が困難であることが、競争優位の源泉となるための重要な要件である。
  2. 業界標準として普及している技術を導入しさえすれば、それが自社のコアコンピタンスになる。
  3. 自社を取り巻く外部環境を機会と脅威に分類して整理する分析手法のことである。
  4. 優良企業のベストプラクティスを自社にそのまま取り入れる活動のことである。

コアコンピタンスが競争優位の源泉となるには、顧客価値に加えて希少性や模倣困難性が必要であり、誰でも導入できる標準技術や他社事例の模倣は該当しない。外部環境を機会と脅威に整理するのはSWOT分析の説明である。 (G.ハメル&C.K.プラハラード(1990年)/J.B.バーニー『企業戦略論』のVRIO(経済価値・希少性・模倣困難性・組織)/IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」)

27. 大企業が参入しにくい特定の隙間市場に自社の経営資源を集中し、その市場で優位な地位の確保を狙う戦略はどれか。

  1. コストリーダシップ戦略
  2. 多角化戦略
  3. ニッチ戦略
  4. 差別化戦略

ニッチ戦略は、隙間(ニッチ)市場に経営資源を集中して独自の地位を築く戦略である。コストリーダシップは低コスト、差別化は独自性によって業界全体で競争する戦略、多角化は新製品×新市場への進出を指す。 (P.コトラー『マーケティング・マネジメント』(競争地位別戦略)/IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」用語例「ニッチ戦略」)

28. コトラーの競争上の地位の分類において、市場全体ではなく、上位企業が力を入れていない特定の専門市場に経営資源を集中し、その分野で独自の地位を築く企業を表すものはどれか。

  1. リーダ
  2. チャレンジャ
  3. フォロワ
  4. ニッチャ

コトラーは競争上の地位をリーダ・チャレンジャ・フォロワ・ニッチャの4つに分類しており、ニッチャは特定の専門市場に集中して独自の地位を築く企業を指す。ニッチ戦略はニッチャが採る典型的な戦略である。 (P.コトラー『マーケティング・マネジメント』(競争地位別戦略:リーダ・チャレンジャ・フォロワ・ニッチャ))

29. M&A(Mergers and Acquisitions)の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 合併や買収によって他社の経営権を取得し、その経営資源を自社に取り込むこと
  2. 互いの独立性を保ったまま、契約に基づいて他社と協力関係を結ぶこと
  3. 相手先のブランドで販売される製品を受託して生産すること
  4. 自社の業務の一部を外部の専門業者に委託すること

M&Aは合併(Mergers)と買収(Acquisitions)の総称で、他社の経営権を取得してその技術・人材・販売網などの経営資源を短期間で取り込む手法である。独立性を保つ協力関係はアライアンス、相手先ブランド生産はOEM、外部委託はアウトソーシングを指す。 (IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」経営戦略手法の用語例「M&A」)

30. M&Aの手法の一つで、買付け期間、買付け価格、買付け予定株数などを公告し、証券取引所を通さずに不特定多数の株主から株式を買い集める方法はどれか。

  1. IPO
  2. TOB
  3. MBO
  4. 株式分割

TOB(Take-Over Bid:株式公開買付け)は、条件を公告して取引所外で不特定多数の株主から株式を買い集める手法であり、金融商品取引法の公開買付け制度(第27条の2以下)として規定されている。IPOは新規株式公開、MBOは経営陣による自社買収である。 (金融商品取引法第27条の2以下(公開買付け制度)/IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」用語例「TOB」)

31. 企業の経営陣が、金融機関や投資ファンドなどから資金を調達して株主から自社の株式を買い取り、自ら経営権を取得する手法はどれか。

  1. TOB
  2. IPO
  3. MBO
  4. LBO

MBO(Management Buyout)は、経営陣自らが自社の株式や事業部門を買い取って経営権を取得する手法で、上場企業の非公開化などに用いられる。LBOは買収対象の資産などを担保にした借入で買収資金を調達する手法の総称である。 (経済産業省「公正なM&Aの在り方に関する指針」(2019年)/IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」用語例「MBO」)

32. 自動車メーカーのA社とソフトウェア開発会社のB社は、互いに独立した企業のまま、自動運転技術の共同開発のための提携契約を結んだ。このような企業間の協力関係を表す用語として、最も適切なものはどれか。

  1. アライアンス
  2. M&A
  3. MBO
  4. フランチャイズチェーン

アライアンスは、各社が独立性を維持したまま技術開発・生産・販売などの分野で協力関係を結ぶ企業提携であり、M&Aと異なり経営権の移転を伴わない。 (IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」経営戦略手法の用語例「アライアンス」)

33. 自社にない技術を獲得して新規事業を立ち上げたい。その手段として、アライアンスと比較したときのM&A(買収)の特徴として、最も適切なものはどれか。

  1. 資本の移動を伴わないため、比較的少ない資金で実施できる。
  2. 契約に基づく緩やかな協力関係であり、相手企業の経営権は取得しない。
  3. 相手企業の経営資源を自社に取り込んで一体的に活用できる反面、多額の資金や組織・企業文化の統合といったリスクを伴う。
  4. 互いの独立性が保たれるので、必要がなくなれば関係の解消が比較的容易である。

M&Aは経営権を取得して相手の経営資源を丸ごと取り込み一体運営できるため獲得効果が大きい反面、多額の買収資金や組織・文化の統合リスクを伴う。他の3つは独立性を保つアライアンスの特徴である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」経営戦略手法の用語例「M&A」「アライアンス」)

34. 海外市場に進出するために、現地企業と共同で出資して新しい会社を設立し、その会社で事業を運営することにした。この形態を表す用語として、最も適切なものはどれか。

  1. フランチャイズチェーン
  2. 持株会社
  3. MBO
  4. ジョイントベンチャ

ジョイントベンチャ(合弁会社)は、複数の企業が共同出資して新会社を設立し事業を行う形態であり、資本参加を伴うアライアンスの一形態である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」経営戦略手法の用語例「ジョイントベンチャ」)

35. 小売業のA社は、会員カードから得られる顧客ごとの購買履歴を全社で一元管理・分析し、一人一人に合った特典やお薦め情報を提供することによって、顧客と長期的に良好な関係を築き、顧客満足度を高めようとしている。この考え方に該当するものはどれか。

  1. SCM
  2. CRM
  3. ERP
  4. ナレッジマネジメント

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)は、顧客情報を全社で一元管理・共有して顧客との長期的な関係を構築し、顧客満足度や顧客生涯価値の向上を図る考え方である。 (IPA「ITパスポート試験シラバス Ver.6.5」16ページ「12 経営管理システム」用語例「CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)」)

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